コラム

2023年10月12日

最終更新:2023年10月12日

キャリア自律【キャリコンサロン編集部】#129

毎週木曜日に更新している「キャリコンサロン編集部」noteマガジン。

今週のお題は「キャリア自律」です。

キャリア自律の歴史

キャリア自律とは、個人が企業や組織に依存することなく、自らのキャリアを主体的に開発していくことです。

日本では令和時代に入ってから触れる機会が増えた考え方ですが、キャリア自律の概念は1990年代後半から2000年代にアメリカで確立されたと言われています。

提唱されたのは1980年代。

今から20年以上前から変化する雇用環境に適応していくために個人が自身のキャリアと向き合い、学習し、キャリア開発を行ってきました。

一方、日本はキャリア自律の後進国です。

個人のキャリアは企業や組織の中で開発されるもの。

外部の視点が入るキャリア自律を推奨したら、社員が転職を考え、人材が流出してしまう。

このような想いがキャリア自律が避けられてきた要因と言えます。

しかし、既に日本的雇用慣行は崩壊し、働く価値観も多様化しました。

個人が自分のキャリアを自律的に考えることはもちろん、企業や組織も変わる必要があります。

ひとつの枠組みの中だけでキャリアを考えるのではなく、広い視野で一人ひとりのキャリアを支援する方向に舵取りする必要があるのです。

企業や組織がキャリア自律を支援する方法

では、企業や組織はどのようにキャリア自律を支援したらよいのでしょうか。

私が考える支援のスタートは、自己理解の場を提供することです。

私はキャリア自律の支援をについて相談を受けた際は、自己理解に役立つアセスメントの受検やグループワークを中心としたキャリア研修を提案しています。

そして次のステップとして個別のキャリアコンサルティングを行い、一人ひとりが描く未来に向かって行動支援を行うことがほとんどです。

さらに副業や社会活動がしやすい仕組みづくりや自己学習の場を提供できるよう働きかけています。

キャリア自律を定着させる方法

人の数だけキャリアがあり、これがキャリア自律の正解はありません。

鉄板の支援法もありません。

何を学べばよいという万能な学習もありません。

だからこそ奥深く、難しい。

一筋縄ではいかないのです。

短期的に成果が出るものではないため、意味がないと施策をとん挫させてしまっては、キャリア自律を定着させることはできません。

キャリア自律が定着すると、個人がそれぞれスキル向上や描く未来に向かって仕事に取り組めるので、前向きな気持ちで働く人が増えてきます。

その結果、企業や組織全体が活性化しますが、そこに至るまでには一定の期間は必要です。

半年、1年、2年、3年……。

どれくらいの時間を要するかは個別の事情になりますが、最初に決めた計画は一通りやり切ること。

目の前の業務と同様の優先順位でキャリア施策に取り組むこと。

3か月くらい経過すると、キャリア施策の優先度が下がりがちです。

専任担当者がいない場合は、気づいた時には最初からなかったかのようにキャリア施策が忘れ去れていることも珍しくありません。

キャリア自律を根付かさせるためには、根気よく優先度高く取り組むことが必要不可欠です。

もし自社内で運用する自信がない場合は、外部キャリアコンサルタントの活用も検討することをお勧めいたします。

もちろん私も対応いたしますので、お気軽にお声かけくださいませ。

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2023年10月12日

最終更新:2023年10月12日

宮治 有希乃さんの写真

宮治 有希乃Miyaji, Yukino

組織人事コンサルタント

2007年よりITベンチャー、人材ビジネス業界で人事労務・人材育成に携わり、現場の最前線で人材採用から社員育成・定着化、人事制度構築、キャリア支援などを経験したオールラウンダー。2018年10月に寄りそうコンサルタントグループ HR LABOを立ち上げ、独立。 現在は、組織人事及びキャリア領域で「組織の人間関係を読み解き、働きがいのある職場環境を整えること」に注力。多角的組織診断を活用した組織活性や採用・定着化、人材育成を中心に活動している。※支援企業:300社以上、対人支援:延べ7,200人以上の実績あり。

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