宮治のこと

2018年12月13日

最終更新:2022年12月20日

会社員にこだわっていた私が、フリーランスになった理由

札幌のキャリアコンサルタント・宮治 有希乃(ミヤジ ユキノ)です。

「宮治って誰?」と興味を持って下さった方は、ぜひ詳しいプロフィールをこちらからご覧いただけると嬉しいです。

私は2018年10月、自分でも全く想定していないうちにフリーランスになりました。

正直なところ戸惑いは隠し切れず、不安に押しつぶされそうになる時もありますが、今は流れに身を任せて過ごしてみようと思っています。

このような状況ということもあり、現時点ではどんな仕事をしていくか何も決めていません。

ただ、何か行動しないことには現状は何も変わらないと考え、これを機に思い切ってブログを書くことだけは決めました。

これまではあらゆるブログが好きな読者のひとりでしたが、これからは私も誰かの何かの役に立てたるようなブログを書いて発信していきたいと思ったからです。

「誰かの一歩踏み出すきっかけになる!」

等身大の私の記事がどんなお役に立てるのかは未知数ですが、きっと誰かの一歩になる日が来ると信じて、ゆっくり育てていきます。

ざっくりキャリアをテーマに記事を書いていきたいと考えていますが、フリーランスとしての方向性を絶賛模索中なので、紆余曲折ありながらの運営になるかもしれません。

それでも「考えて立ち止まるより、歩きながら考える」性分をプラスに捉えて発信していきますので、よろしくお願いいたします。

私のベストは「会社員×フリーランス」のパラレルワーカー

フリーランスになった私ですが、会社員として雇用されて働く働き方にずっとこだわって生きてきました。

いつどんな状況でどんな価値観テストを受けても、必ず上位に「安心・安定」がくるタイプで、生活の基盤が築きづらい働き方は避けたい気持ちしかなかったからです。

「会社員だから絶対安定している」とは思っていませんが、たとえリストラや倒産に直面しても「会社員であることで受けられる社会保障があること」が、大きな魅力だと感じていました。

一方で、社会人としての経験を積めば積むほど「会社の枠にとらわれず自分でやりたいことを仕事にしてみたい」という気持ちも芽生え始め、2014年から「会社員×フリーランス」のパラレルワーカー(複業家)にチャレンジ!

このスタイルで4年ほど働いてみた結果、安定を確保しながら、自分でやりたいことにも取り組めることが最高すぎたので、所属会社が変わってもずっとこのスタイルで働こうと決めていました。

そのため、2018年8月末に当時勤めていたローカルITベンチャーを退職した後も、別の会社への転職し、その仕事に慣れてから自分でやりたいことをやっていくつもりだったのです。

1か月以上続いた「地震酔い」

このような想いを内に秘めながら「新しい環境に挑戦し、さらに成長する」と心に誓い、2018年9月にフルリモートで働けるHRベンチャーに転職しました。

全国各地、というよりも世界中に同僚がいる環境。

出社義務がなくオンライン上に職場があるという環境。

今まで経験したことがない環境にわくわくしながら、社員のプロ意識の高さに初日から強い刺激を受けたことを覚えています。

慣れ親しんだ環境を離れて新しい挑戦をすると決めたからには「とことん頑張る!」と意気込んでいましたが、思うように適応できないまま、転職4日目に北海道胆振東部地震に見舞われました。

いくらフルリモートでも停電してしまっては仕事ができませんので、入社後すぐのタイミングでしたが、やむなく2日間仕事を休むことに。

幸い我が家は地震の影響はほぼなく、電気も水道も一晩不自由したくらいで思ったより早く復旧し、数日で日常生活を取り戻すことができましたのですが……。

どうしても、身体の異変を感じずにはいられませんでした。

とにかくいつも揺れているのです。

確かに地震は続いていましたが、何時間も揺れる地震はありません。

なので、私自身がが揺れているのだと自覚しました。

仕事中も横になっている時も、意識がある時は常に揺れていて、集中することができないもどかしさを感じ始めたころ「地震後めまい症候群(地震酔い)」という症状があることを知り、驚きと不安が襲ってきたことを今でも忘れることはできません。

「地震の影響なんだ」と、揺れの原因が分かって気持ちは軽くなったのですが、感じる揺れは一向に収まる気配もなく、だんだん気持ちも滅入ることが増えてきて、とにかく当時は焦りしかなかったですね。

結局、この地震酔いには1か月以上悩むことになりました。

停電時の札幌

▲電気が復旧した日の様子。街の明かりがこんなに安心を与えてくれるのだと、日ごろあたり前に使っている電気を大切にしようと心の底から思いました。

父への想い

気合十分で新しい仕事をはじめた私でしたが、慣れない環境での緊張だけではなく、どうしても収まらない地震酔いが続き、今までに経験したことがないほど身体も心も乱れていきました。

ただ、地震酔いだけが原因でこの状況になっているわけではないことは、自分が一番よくわかっていました。

闘病中の父のことが心配で仕方なかったのです。

その時の私は「末期がんと突然宣告された父と一緒に過ごせる時間は残りわずかだ」ということを受け入れなければいけない状況でした。

新しい環境、収まらない地震酔い、父のこと。

地震酔いは想定外でしたが、父のことがあっても頑張っていけると自信をもってスタートした新生活は、もろくて弱い自分との葛藤の日々でした。

そんな悶々とした葛藤の中から出てきた素直な気持ちは「何よりも父との時間を大切にしたい」ということ。

この素直な気持ちを大切にしようと、迷いに迷った結果、こだわり続けていた会社員の働き方ができなくなったとしても仕事の量を減らそうと決めました。

父のそばで仕事ができるフルリモート勤務でしたが、私は自分が思うほど器用で人間ではないと痛感したからです。

完全に私の事情でご迷惑をかける形になるのにも関わらず、仕事を調整をしてくださった会社の皆さんには、本当に心から感謝しています。

このタイミングで雇用されて働く会社員ではなくなりましたが、働く場所の選択肢が増えただけではなく、時間の調整もしやすい環境で働けるようになり、父との時間を増やすことができました。

覚悟していた時期よりも早く父との別れが来ると分かった時は本当につらかったですが、会社の仕事から完全に離れる決断をした時に「タイミングが来たら、また戻ってくればいい」と、暖かく受け入れてくださった会社の皆さんにとても励ましていただきました。

仕事を離れる決断は、これまで私が働くことを応援してくれていた父を「がっかりさせてしまうのではないか」という葛藤との戦いでしたが、後悔はありません。

仕事を離れたことで今まで聞いたことがなかった父の話も存分に聞く時間が持てましたし、父と楽しい時間を過ごせたからです。

そして、父との別れから1か月が経った今、この父との時間が私に大きな力を与えてくれています。

父は父が良く思っていないことがあっても「ゆきが決めたことだから、父さんは応援するよ」と、私のことを尊重し、応援し、ただただ幸せを願ってくれてました。

父の娘として生まれて、私は本当に幸せです。

最後に話した日も、私が幸せに生きていくことを本当に願ってくれたのですが、そんな父の想いを改めて受け止めた時に「また、とことん働こう」という気持ちが湧いてきました。

父との記念写真

▲父が「人生最良の日」と言ってくれた私の結婚式。花嫁の手紙をビジネスモードで淡々と読み上げた私の代わりに泣いてくれた優しい父です。

過去の選択を信じ、今の私をとことん生きる

もし地震酔いにならなかったら……。
会社員として新しい仕事をしながら、父と一緒に過ごす時間を作れていたかもしれない。

慣れた環境で働き続けていたら……。
介護休暇を利用して、父と一緒に過ごす時間を作れていたかもしれない。

Ifの世界をいくら考えても意味がないのですが、2018年は本当に色々な選択をする機会が多い1年でした。

どの選択が正しかったのかはわかりませんが、その時々の自分が真剣に考えて、自分で選択してきた結果が今の私です。

会社員にこだわっていた私が、フリーランスになったのも、自分の選択の結果です。

だからこそ、フリーランスになりたいとは思っていませんでしたが、

「自分の選択を正確にするために努力しよう!

きっと父も応援してくれている!」

そんな風に思うと「今の私をとことん生きよう!」と、前を向くことができました。

人生は選択の連続ですが、自分が選択した道を堂々と歩んでいけば、振り返った時に「私らしい道」がきっとできると信じています。

時に後退することもあるかもしれませんが、地に足をつけて一歩一歩。

着実に前進していきますので、今後とも末永くよろしくお願いいたします。


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2018年12月13日

最終更新:2022年12月20日

宮治 有希乃さんの写真

宮治 有希乃Miyaji, Yukino

組織人事コンサルタント

2007年よりITベンチャー、人材ビジネス業界で人事労務・人材育成に携わり、現場の最前線で人材採用から社員育成・定着化、人事制度構築、キャリア支援などを経験したオールラウンダー。2018年10月に寄りそうコンサルタントグループ HR LABOを立ち上げ、独立。 現在は、組織人事及びキャリア領域で「組織の人間関係を読み解き、働きがいのある職場環境を整えること」に注力。多角的組織診断を活用した組織活性や採用・定着化、人材育成を中心に活動している。※支援企業:300社以上、対人支援:延べ7,200人以上の実績あり。

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